噴火のしくみ
噴火とは
噴火とは、火口からマグマや火山灰、岩石などが、地上へ放出される現象です。
マグマが噴出する噴火は「マグマ噴火」と呼ばれます。また、マグマによって熱せられた地下水が、急激に水蒸気に変化することで圧力を増して爆発する「水蒸気爆発」という現象もあります。いずれも大規模な火山災害が発生する可能性のある現象です。
噴火のしくみ
マグマはマントルの一部が溶けて発生すると考えられています。このマグマは、周辺の岩石よりも軽いため上昇しやすく、地上付近でマグマだまりを作ることがあります。このマグマがさらに上昇し、周辺の圧力が下がると、マグマに含まれる火山ガスが泡になって膨張します。その膨張にまわりの岩石が耐え切れなくなると爆発して噴火が起こります。
噴火は山頂で起こるだけでなく、山の側面や谷底、海底や湖底などの水中から噴火する場合もあります。
火山活動に伴う主な被害
ひとたび火山が噴火すると、大きな被害が発生する場合があります。主な火山災害の要因として、噴石、火山灰、火砕流、火山泥流、溶岩流、火山ガスなどがあります。
■噴石
噴火によって火口から吹き飛ばされた石を噴石と呼びます。20~3センチ以上の大きな噴石は、風の影響をほとんど受けずに飛ぶ一方、数センチ程度の小さな噴石は風の影響を受けて、数㎞飛ぶことがあります。建物を破壊し、登山者の死傷につながることがあります。
■火山灰
噴火によって放出される固形物のうち、直径2ミリ以下の小さな粒を火山灰といいます。火山灰は、風に乗って100キロ以上運ばれることがあります。火山灰によって、目やのどにダメージを与えたり、農作物に被害をもたらしたりするほか、自動車の運転や航空機、建物などに影響を与えます。
■火山泥流 、融雪型火山泥流
斜面に降り積もった噴石や火山灰が、雨水等によって流れ下る現象で、土石流と類似の現象です。石や火山灰が堆積しているところでは、数ミリ程度の雨でも発生しやすいです。また、積雪時には斜面の雪が融かされ、融雪型火山泥流が起きることがあります。
火山泥流や融雪型火山泥流は、高速で斜面を流れ下り、ふもとに大きな被害をもたらします。噴火後に雨が予想されるときは、川の近くや谷の出口に近づかないようにしましょう。
■火砕流
噴石や火山灰、火山ガスが混合した状態で、山肌に沿って流れる現象です。数百度以上のものが100㎞を超える速度で流れる場合もあり、破壊力が大きく、被害の大きな火山災害のひとつです。
■溶岩流
1000℃を超える液体の溶岩が地表を流れます。溶岩流の流れる速さは、人の歩く速度程度と言われ、通過域にある森林や建物を焼失、埋没させてしまいます。
■火山ガス
火山ガスの主成分は水蒸気ですが、二酸化硫黄や硫化水素といった物質も含まれています。
人体に有害な物質が含まれる場合には、気管支などの障害や中毒によって死亡する場合があります。