日本気象協会の天気予報精度結果(2024年4月~6月)
当日の降水の有無の適中率に関する検証結果について
今回は、皆様にtenki.jpで使用している日本気象協会の気象予測「JWA統合気象予測」の2024年4月~6月の予報精度結果を、1月~3月の結果と合わせてご報告します。
<当日の降水の有無の適中率 算出方法>
当日の降水の有無の適中率は当日の朝(5時)に発表された予報をもとに、その日(5~24時)に合計1mm以上の降水があるかどうかを評価します。
このため、ある地点で雨が降る時間帯が予報と実況で異なっていたとしても、当日のどこかの時間帯で雨が降れば(もしくは雨が降らなければ)、天気予報が当たった(適中)として評価されます。
*当日の降水の有無の適中率の算出方法はこちら
*2023年の当日の降水の有無の適中率はこちら
日本気象協会では、ある地点で“当日どこかの時間帯に雨が降る”という予報だけでなく、“その日の14時に雨が降る”と予想したら、実際にその時間帯から雨が降り出すといった1時間ごとの天気予報も適中させることが必要であると考えています。
そのため当日の降水の有無の適中率だけでなく、翌日における1時間ごとの天気の適中率についても検証を行っています。
翌日における1時間ごとの天気予報の適中率に関する検証結果について
期間は、2024年4月~6月に発表した予報を対象としています。検証の結果、6月は梅雨前線の影響や、大気の状態が不安定になりやすくなることから、予報が難しい時期に入りますが、4月、5月に続いて、翌日の1時間ごとの天気の適中率は70%以上の高い精度を確保しました。
4月は72%、5月は74%、6月は70%と、いずれの月においても気象庁の適中率を上回りました。4月~6月にかけての3か月間でみると、「JWA統合気象予測」の適中率は気象庁を平均で9ポイント上回っており、翌日の1時間ごとの天気を精度よく予報できていることが分かりました。
<1時間ごとの天気予報の適中率 算出方法>
晴れ・曇り・雨・みぞれ(雨または雪)・雪の予報と実際の天気が、1時間単位でぴったりと当てているかどうかという独自の指標で検証をしており、非常に厳しい評価基準となっています。これは、例えば、ある1時間で晴れと予報しても、実際に少し雲が広がり、曇りになった場合の適中の判定は「外した・不適中(×)」として、検証を実施していることになります。
※1:気象庁の天気分布予報について
※2:気象庁の推計気象分布について
*詳細な「翌日における1時間ごとの天気の適中率」の算出方法はこちら
<予報事例紹介>
実際の天気は、0時~2時までが晴れ、2時~13時までが曇り、13時~22時までが雨、22時以降が曇りとなり、0~2時の晴れ、13時~14時の雨以外の1時間ごとの天気をほぼ正確に予報していました。この日の東京の日本気象協会の1時間ごとの天気の適中率は88%でした。
同日の気象庁の予報では午後の雨が予報されておらず、この日の気象庁の適中率は42%でした。
日本気象協会では、天気予報は1時間ごとの天気を適中させることが必要であると考えています。それは、前日の夕方に精度の高い天気予報を提供することが、皆さまの翌日の計画的な活動に役立つのではないかと考えているためです。
上記の6月30日の予報(前日6月29日17時発表)であれば、適中させることができなかった計3時間分の天気も正確に「晴れ」や「雨」を予報したいと考えており、日々、精度向上に努めています。
日本気象協会の予報が当たる理由
「JWA統合気象予測」には、日本気象協会独自の予測モデルであるSYNFOSや、国内外複数の気象機関の予測モデルを利用しています。各予測モデルはそれぞれ得意な予測範囲が異なるなどの「予測の癖」が存在するため、過去のデータや気象学的な知見を用いて「予測の癖」を直し、精度の良い予測になるよう「補正処理」を行います。
続いて、「補正処理」を行った各モデルの「予測精度」に応じた「統合化処理」を行い、精度の高い予測を算出します。
「予測の癖」や「予測精度」は季節や地域によって日々変化するため、「補正処理」と「統合化処理」を、日々自動的にアップデートするシステムを構築し、「JWA統合気象予測」に導入することで、より高精度な日々の天気予報の作成を目指しています。
tenki.jpは、日本気象協会が誇る「JWA統合気象予測」による予報結果を、日々、皆さんにお届けする天気予報に反映させています。
この先も続く不安定な天気や、10月にかけて続く台風シーズンにおいても、きめ細やかで精度の高い天気予報や、確かな情報で、これからもあなたの“少し未来の暮らし”を支えていきます。