フェーン現象で気温上昇 35℃を超えた所の湿度は30パーセント台 水分補給を
こまめな水分補給を
午後2時までの、最小湿度が全国で最も低いのが長野県飯山市で32%、最高気温は36.1℃と今年初の猛暑日となっています。ほかにも富山県魚津市35%、36.3℃や新潟県上越市大潟は36%、37.0℃、香川県東かがわ市引田は36%、36.9℃など、北陸や四国で湿度が30%台で気温が35℃を超えています。東京都心は32.6℃と今年一番の暑さになっていますが、湿度は55%と蒸し暑くなっています。
湿度が比較的低いと、汗をかいても、乾くのが早く、体から水分が逃げていることが気が付きにくくなります。意識的に水分を補給し、小さい子供や高齢のかたには、積極的に水分を取るよう声をかけてあげてください。
フェーン現象とは?
① 例えば、図の右から左へ風が吹く場合、風上の平地の気温が30℃だとすると、この風が高さ2000メートルの山をのぼる時、100メートル上昇する毎に0.65℃気温が下がるので、山頂付近の気温は風上の平地より低い17℃になります。
② 山頂付近に向かうにつれて、風上の平地より気温がどんどん下がることにより、もともと空気中に含んでいた水蒸気のうち、ある程度の水蒸気が冷やされて、小さな水の粒になります。この水の粒は、空気中をただよう雲や霧に変わり、雨粒となって落ちてしまうので、空気中の水分が減って、乾燥した風になります。
③ 乾燥した風が山をおりる時には、100メートル下降する毎に1℃気温が上がるので、風下の平地の気温は、風上の平地より高い37℃になるのです。
湿度が変わると、気温の変化する割合も変わることが、フェーン現象の発生原因です。
(他にも「ドライフェーン」と呼ばれる現象などがあります。「ドライフェーン」とは上空の空気が地表まで吹き降る際に、圧縮されて気温が上がる現象です。)
熱中症を引き起こす条件
1つめは「環境による条件」です。その日の気温が高いだけでなく、急に暑くなった日や、熱波の襲来も危険です。また、湿度が高い、風が弱い、日差しが強いといった気象条件も、熱中症を引き起こします。締め切った室内や、エアコンがない所といった環境も、熱中症には特に注意が必要です。
2つめは「体による条件」です。高齢者や乳幼児、体に障害がある方は、周りの方が特に気をつけてあげてください。肥満や持病(糖尿病、心臓病、精神疾患など)のある方も、熱中症にかかるリスクが高まります。低栄養状態、脱水状態の方は、体にこもった熱を、効率良く体の外へ逃がせなくなるおそれがあります。二日酔いや寝不足などの体調不良でも、熱中症にかかりやすくなってしまいますので、ご注意ください。
3つめは「行動による条件」です。激しい運動をしたり、慣れない運動をしたりすると、体内で熱が発生しますが、その熱が体の中にこもったままだと、熱中症にかかりやすくなります。長い時間の屋外作業や、水分補給がしにくい状況も、熱中症を引き起こす原因になりますので、十分お気を付けください。