今年最強台風11号 西日本太平洋側で災害級大雨の恐れ 72時間雨量1000ミリも
九州や四国で「経験したことのない大雨」の恐れ
中心付近の最大風速は50m/s、中心気圧は935hPaと発達を続けています。
9月3日(土)頃から北よりに進路を変える見込みで、台風の進路にあたる日本の南海上および沖縄近海の海面水温は30℃程度と高く、「勢力を保ったまま」西日本に接近または上陸する可能性があります。
日本気象協会独自の「JWAアンサンブル雨量予測」では、台風第11号の影響により、9月3日(土)から9月6日(火)にかけての72時間雨量(図1左)が宮崎県、鹿児島県、高知県、徳島県の多いところで1000mm前後に達する恐れがあります。
予想される雨量となった場合、解析雨量が1kmメッシュ化された2006年5月以降に観測された雨量の最大値との比(過去最大比)(図1右)では150%を超過し、河川の氾濫、土砂災害などの災害発生危険度が極めて高くなる恐れがあります。
過去最大比100%を超えると甚大な災害が発生し、150%を超えると犠牲者の発生数が急増するという研究結果があります。今回の解析では宮崎県、鹿児島県を中心に四国でも100%を超えるなど、災害発生の危険度が極めて高くなることを示してます。
早めに台風の備えを行い、天気が荒れる前に安全確保をお願いします。台風接近時には危険な場所には近づかず、不要不急の外出を控えるなど、厳重に警戒してください。
なお、台風の進路によっては予想される雨量が大きく変化する可能性がありますので、今後の情報に十分注意してください。
2005年台風14号に類似
宮崎県を中心に大雨となった台風として、2005年台風14号があります。この台風は、大東島地方に接近してから山陰沖に抜けるまで、広い暴風域を維持したまま、比較的ゆっくりした速度で進んだため、影響が長く続きました。
1000ミリ超えで大規模な土石流も発生
3日間の総雨量が1000mmを超えた所があり、大規模な土石流も発生しました。
今回の台風11号の進路もかなり動きが遅い予想となっていて、大雨や暴風など「大荒れの時間帯が長引く」恐れがあります。
2005年台風14号のコースと類似する可能性があり、長期間荒れた天気が続く恐れがあり、厳重な警戒が必要です。
台風接近までにはまだ少し時間がありますので、事前に備蓄品を備えておくなど、台風の対策を行ってください。
台風の大雨 土砂災害の前触れは
1つめは、がけや地面にひび割れができることです。
2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。
3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。
4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。
そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。