台風5号直撃 東北太平洋側で経験したことのない大雨か 災害発生危険度が高まる恐れ
2024年08月10日16:46
台風5号の進路と特徴
今回の台風の特徴は、異例の進路をとると予想されることです。これまでに、台風が東北太平洋側に上陸したのは統計開始以来、2回(2016年に岩手県、2021年に宮城県)だけです。普段、台風の上陸が多くない地方に直撃する恐れがあります。次に台風の進む速度がゆっくりなことです。スピードが遅いということは、その分、影響が長引く恐れがあります。
東北太平洋側で記録的な大雨か
東北太平洋側では台風接近前から暖かく湿った空気が流れ込む予想で、11日(日:山の日)未明から雨が降るでしょう。12日(月:振替休日)は台風本体の雨雲がかかり、日中の時間帯を中心に雨脚が強まる見込みです。
日本気象協会独自の「JWA統合気象予測」では、12日(月)24時までの48時間雨量が岩手県の多いところで400 mmに達すると予測しています。予想される雨量となった場合、これまでに観測された雨量の最大値との比(既往最大比)が150%を上回る可能性があります(一番上の図)。日本気象協会と静岡大学牛山素行教授との共同研究の結果によると、既往最大比が150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があることがわかっており、災害発生危険度が極めて高いことから厳重な警戒が必要です。
台風の進路によっては宮城県や福島県などでも雨量が多くなる恐れがあります。
2016年台風10号を上回る降水量の恐れ
今回の台風5号の進路は、この2016年台風10号の進路と類似する可能性があります。2016年台風10号に比べて今回の台風はスピードが遅い予想となっていることから、当時を上回る降水量となる恐れがあります。
大雨が長く続くことにより、河川の氾濫や土砂災害に厳重な警戒が必要です。
避難情報に注意 交通機関に影響の恐れも
お盆休み期間で移動の多い時期ですが、交通機関が大きく乱れる可能性もあります。予定の変更も視野に、迂回ルートや代替ルートも検討してください。
海上は大しけとなりますので、海岸付近には近づかないでください。