日本気象協会 2022年春の花粉飛散予測 第4報発表
2022年02月17日11:02
スギ花粉の飛散開始時期
2月に入り、周期的に寒気が流れ込んできています。2月上旬は強い冬型の気圧配置となって寒気が流れ込み、日本海側を中心に大雪をもたらしました。その後、南岸低気圧の通過に伴って、太平洋側の地域でも雪や雨となりました。最新の1か月予報や、2月14日に気象庁から発表された「早期天候情報」によると、この先下旬にかけても、全国的に気温の低い日が続く見込みです。このため、飛散開始が例年より遅れているところが多くなっています。
※飛散開始日 1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日
各地のピーク予測
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始め、その後ピークが始まります。福岡や高松では3月下旬から4月上旬、広島では4月上旬の見込みです。大阪や名古屋、東京では4月上旬から中旬にヒノキ花粉の飛散のピークとなり、時期はほぼ例年並みでしょう。金沢と仙台は、4月を中心にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他の地点と比べると少ないため、はっきりとしたピークはない見込みです。
2022年シーズンの花粉飛散傾向
一方、前シーズン比で見ると、九州や東北は地域差が大きく、四国、中国、近畿の飛散量は少なく、東海、北陸、関東甲信、北海道は前シーズンより多い見込みです。九州や北陸、東北、北海道では非常に多く飛ぶ地域もある見込みです。前シーズンは症状が弱かった方も万全な花粉症対策が必要になりそうです。
各地域の花粉飛散傾向
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
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前シーズン :2021年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2012~2021年)の平均値
【2021年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値
花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。
日本気象協会では、気象データに加え、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などのデータ、および全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽調査の結果などをふまえて予測しています。花芽調査では、スギやヒノキなどの植物に詳しい「植物のプロ」や、花粉の研究に長年携わっている学識者の協力を得ながら、その土地の気候や地形を知る「気象のプロ」による定点観測を重視しています。
◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は、前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。