9月になると、全国の蕎麦栽培地では蕎麦の花の季節となり、秋空に白やピンクの小さな花の群生が輝きます。ソバ(Fagopyrum esculentum)はタデ科ソバ属に属する一年草。高さ60~130センチ、長い柄の三角形に近い心形の葉を互生します。
稲などと比べて耕地面積あたりの収穫量は劣りますが、やせ地でもよく育ち、水田に適さない山地などで盛んに育てられてきました。播種から2ヶ月半ほどで収穫できることから、東北以南の生産地では二期作をし、春に播種して夏に収穫した後、夏に播種したものが9~10月頃に花期となります。
全国に出回るソバの栽培地は統計上は10ほどの道県に限られていますが、実は地域で消費する程度のソバ栽培をしている地域は案外多いのです。貴方の身近でも、探したら見事なソバ畑を見ることができるかもしれません。
「長月」に見ることのできる秋ソバの花。薫り高い「長い」麺となって出回るのも楽しみですね。
参考・参照
新訓 萬葉集 佐佐木信綱 編 岩波書店
奥儀抄 藤原清輔台風の上陸数