ハクチョウと言うと北国のイメージで、北海道や東北でしか見られないというイメージがあるかしれません。でも実は、ハクチョウの冬の逗留地は、本州全土なのです(北海道は渡りの中継地)。
特に新潟県の瓢湖は全国一のハクチョウの逗留地として有名ですが、近年瓢湖に次ぐ飛来地として知られているのが、千葉県北部にある印西市の「ハクチョウの郷」。今年も既に1,000羽を超えるハクチョウが飛来しているようです。
「ハクチョウの郷」に飛来するハクチョウは、多くがコハクチョウで、オオハクチョウも混じります。また日本では稀な渡り鳥として、アメリカコハクチョウが渡来するのもこの場所の特性で、近縁種のコハクチョウとの交雑種も見られる特殊なスポットです。
印西市から西に足を延ばした手賀沼には、留鳥となったコブハクチョウの500羽を超える繁殖地が知られ、日本に分布する四種のハクチョウを見られる貴重な体験もあるかもしれません。
もともとは休耕田にやってきたコハクチョウを餌付けしたことがこの地の渡来数の増加となったようですが、飼育管理者以外の餌まきは禁止されています。ハクチョウは首が長く細いので、粗大な大きさのパンなどをあげてしまうと喉にひっかかり、窒息してしまうこともあるそう。また、もともと水域の藻や水草などを食べているハクチョウにとって、油や塩分の混ざる人間の食べ物は害になることも。
ハクチョウの羽ばたき、そして10kgを超えるハクチョウの、着水。離水の際の数十メートルにも及ぶ水面の滑空は、ダイナミックで感動的!一見の価値ありです。
訪問の際は、静かに彼らの姿を見守り、楽しみましょう。
(参考・参照)
日本の野鳥 山と渓谷社
本埜白鳥の郷 いんざいパルケ-印西市の紹介調査における都道府県別・調査種別観察数(暫定値)