【春のトリビアレポート】春を実感する瞬間

春の訪れを一番、実感する瞬間は『桜の開花/桜の蕾』

【Q.春の訪れを一番、実感する瞬間は?】
気象予報士の5位には『桜の開花予測を見たとき』がランクイン。今年の桜の開花状況を予測したり、開花予測のニュースを見たときに春の訪れを実感しているようです。
▶桜の開花予想をチェック!
春のお知らせはくしゃみ?『花粉症の症状が出たとき』が2位
一方、気象予報士の2位には日の入り時刻が伸びてきていることを理由に『日が長くなる』がランクイン。夕方の明るさが日を追うごとに長くなってきている様子を春の訪れと感じているようです。また、同率2位の『春の陽気(暖かさ)を感じたとき』は、西高東低の気圧配置が南高北低になることを理由に挙げ、天気図を見ながら春を感じているという気象予報士ならではの声も寄せられました。
▶花粉情報をチェック!
【気象予報士コラム1】 春の定義~気象予報士が“春”をとりあげるタイミング~
1月も終わりに近づくと、「いつ暖かくなるの」と聞かれることが多くなります。立春(2月4日頃)を前に、春の暖かさを待ち望む気持ちが強くなるのでしょう。気象予報士としても、1月後半からは季節の変化に特に敏感になります。気象情報の中で「春」という言葉を使うようになるのもこの頃からです。「気温」よりも先に「光」の季節が春へと向かうため、はじめに使うのは「光の春」。そして週間予報で予想最高気温が15度前後の日が数日出てくると、「春の気配」「春の兆し」「春の足音」「春めく」といった表現で、気温も春へと移りつつあることをお知らせします。ひばりやうぐいすのさえずりが聞こえる「音の春」を迎える頃から、話題の中心は花粉やサクラへ。「暑さ寒さも彼岸まで」のお彼岸の頃にようやく本格的な「気温の春」となり、「春本番の陽気」「春らしい暖かさ」といった言葉がなじむようになります。

ちなみに、日本における「春」の定義は、気象学では3月から5月まで。暦学や文学では、立春から立夏(新暦の2月4日頃から5月5日頃)までで、手紙や俳句の季語に利用されています(右図)。
このため気象予報士は、このズレを意識して言葉を選びます。
例えば立春を過ぎると「冬晴れ」は使いません。とは言え2月に「春」は違和感があるので、「この春で」といった季節的な区切りは、3月以降に使います。さらに、南北に長い日本列島は、季節の歩みも南と北でズレがあるため、地域によっても言葉を使い分けなければなりません。言葉選びは日々、苦労の連続ですが、四季の中でも春は、「春霞」「春雨」「花曇り」「花冷え」など、天気に関する言葉が多く、どんな表現を選択するかも腕の見せどころ。春は気象キャスターの言葉選びにも、ご注目を。

<気象予報士、防災士>
2007年1月より日本気象協会勤務。
ラジオやストリーミングでの天気解説、新聞やテレビの天気原稿作成などを担当。
「天気でわかる四季のくらし」(新日本出版社)を共同執筆。
子どもにも興味を持ってもらえるような分かりやすい解説を心掛けている。
▶春のトリビアレポート」をもっと詳しくみる(PDF)
※ご覧になるには、Adobe Readerが必要です。
>>【春のトリビアレポート】お花見に関する調査 >>