大雪のしくみ
日本海側で大雪をもたらす「冬型の気圧配置」
豪雪地帯として知られる日本海側の地域では、「冬型の気圧配置」になると大雪になりやすいです。
「西高東低」ともいわれるこの気圧配置は冬に現れやすく、西に高気圧、東に発達した低気圧が天気図上で確認できます。この気圧配置になると、日本海には筋状の雲が現れ、日本海側の地域に雪や雨を降らせます。
冬型の気圧配置で雪が降るとき、降雪の中心となった地域によって「山雪型」と「里雪型」に大別されます。「山雪型」では山間部や山沿いの地域で大雪になりやすいのに対して「里雪型」では、平野部で大雪となることが多いです。
■山雪型
大陸から吹き出す季節風が、日本海で水蒸気を補給した後、山岳部に当たって上昇気流になることで雲が発達し、山間部や山沿いに雪を降らせます。
■里雪型
山の上空に強い寒気が入り込むことにより、日本海上ですでに雲が発達して、平野部などの比較的海沿いの地域に雪を降らせます。
太平洋側で大雪をもたらす「南岸低気圧」
太平洋側の地域では、本州の南海上を低気圧が通過する「南岸低気圧」のときに大雪になりやすいです。「南岸低気圧」による降雪は、予報が難しい現象といわれ、低気圧が通過するコースの多少のずれで雪か雨かが変わり、大雪になる可能性もあります。
雪の被害が出やすい地域
北海道や日本海側の地域では、大雪になることが多いので、建物や交通機関に雪への対策がされていることも多いです。一方で、太平洋側の地域では大雪への耐性が低いため、少しの雪でも建物の被害や、電車などの交通機関に影響が発生します。実際、特別豪雪地帯の新潟県湯沢町の大雪警報基準12時間で60cmに対して、東京都千代田区の大雪警報基準は12時間で10cmとなっています。(令和3年6月時点)