冬の雨雲レーダーに映るリング「ブライトバンド」とは?
「ブライトバンド」の仕組み
降水粒子の大きさは、一般的に「雨<雪<みぞれ」の順に大きくなります。日本上空では、雨雲から降水粒子が落ちてくる段階では気温が0℃を下回っていることが多く、凍った状態で降りてきます。高度が下がるとともに気温は上がりますので、地上付近が0℃よりも高く、雨として降水がある場合は、地上に到達するまでに気温0℃前後の層が存在することになります。
この「上空の気温0℃前後の層」を通過する際、凍っていた降水粒子(雪)が雨へと解けていく途中の、ひとまわり大きくなった降水粒子(みぞれ)を、レーダーが必要以上に強く反射してしまうことで、リング状の周囲より相対的に強いエコー「ブライトバンド」がレーダ―に映ります。降水粒子の変化としては、雪→みぞれに変わって表面積が大きくなっただけであり、水分量が増えたわけではないので、実際に「ブライトバンド」の直下で降水が強くなるわけではありません。