エルニーニョ現象が発生していると見られ、秋にかけて続く 6月10日発表の監視速報
5月の実況
エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の3月の値は+0.4℃で、基準値に近い値でしたが、上昇傾向が続いています。
太平洋赤道域の水温は、海面、表層ともに中部と東部を中心に全域で平年より高くなりました。対流活動は、太平洋赤道域の日付変更線付近ではほぼ平年並でしたが、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より弱くなりました。
このような大気と海洋の状態は、海洋はエルニーニョ現象時の特徴がすでに現れ、大気にもその特徴が現れ始めていることを示しています。このことから、2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられます。
今後の見通し
実況では、太平洋赤道域の海洋表層で見られる暖水が東進しています。大気海洋結合モデルは、この暖水の東進が太平洋赤道域の中部から東部の海面水温を平年より高い状態で維持するように働くとともに、その後も大気と海洋の相互作用により強化された海洋表層の暖水の東進が継続することに伴い、エルニーニョ監視海域の海面水温が秋にかけて上昇し、基準値より高い値で推移すると予測しています。
以上のことから、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込みです(100%)。
西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
今後、秋にかけて基準値より低い値で推移すると予測されています。
【インド洋熱帯域】5月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後、夏は基準値より低い値か基準値に近い値で推移し、秋は基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測されています。
エルニーニョ現象とは?
ただ、何らかの原因で東風が弱まると、西側の暖かい海水が東側へ広がるとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが弱まり、南米沖の海面水温が通常より高くなります。このように、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象を「エルニーニョ現象」と呼びます。
「エルニーニョ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼし、世界各地で気圧配置などがいつもとは違った状態になります。雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温などが変わってくるのです。
「エルニーニョ現象」発生時の日本は、これまでの統計によると冷夏や暖冬になりやすいと言われていますが、2月24日発表の暖候期予報(6月~8月)、5月19日発表の最新の3か月予報(6月~8月)では、2026年の夏の気温は全国的に高い予想となっています。

