イマイチわからない気象用語「のち・一時・時々」一挙解説
2017年11月08日
イマイチわからない気象用語 1位は『のち・一時・時々』
そこで、20周年企画リリースに先駆けて、ここでは「のち・一時・時々」の解説をします。知っておくと、周りの人にドヤ顔できる・・・かも!
『一時』『時々』の違いは、現象の連続性と発現期間がポイント
『一時』
現象が連続的に起こり、その現象の発現期間が予報期間の1/4未満のとき
『時々』
現象が断続的に起こり、その現象の発現期間の合計時間が予報期間の1/2未満のとき
2つの違いは「連続的か断続的か」ということと、「現象がどれくらいの時間現れるのか」という点にあります。
例えば・・・
『一時』とは言え、降る時間帯によって雨の印象は変わります。とある一日(A)のように通勤通学時間や洗濯物を外に干す時間帯に一時でも雨が降ると「きょうは雨だったなぁ」という印象になります。一方で、午前3時から6時の明け方の3時間に降ったとすると、みなさんが活動するころには雨がやんでいるので「きょうはくもりだったなぁ」という印象になるわけです。
次に、とある一日(B)では、24時間のうち午前6時から8時と、午後1時から2時、午後4時から6時の3回のタイミングで雨が降る予想になっています。雨の降る予想時間を合計すると5時間で、この日は『くもり時々雨』になります。『くもり時々雨』という予想のときは、「雨が降ったりやんだり」と表現することが多いです。
一時や時々とちょっと違う、天気の発現順序を表す『のち』
とある一日(C)をみると、午前11時ごろまでくもりで、その後は晴れの予想となっているので、『くもりのち晴れ』です。今回の場合は、現象が変化する時間を明確にして、「くもり 昼ごろから 晴れ」という表現にできます。
それでは番外編!とある一日(D)には「くもり 所により雨」とあります。
さて、どんな天気かわかりますか?
『所により』とは、予報の対象地域のどこかでその現象が起こることなので、この場合は「くもりだが、雨の降る所も一部ある」という意味になります。局地的な雨で、雨の降る地域が狭いor複数のまばらな地域で雨が降るときに使われる表現です。
この『所により』は、実はテレビなどの天気予報では天気マークに現れません(今回の場合なら、くもりマークだけになる)。よく気象予報士が「このくもりマークには雨が隠れている」といった言い方もしますが、テレビなどで放送される気象庁の予報は、予報地域が広いため、ひとつの予報地域内で場所により天気が異なる場合は『所により』という表現を使います。
なお、tenki.jpではピンポイント(例えば東京都豊島区なら豊島区役所付近を起点)に予測しているため、『所により』という表現は登場しません。
いかがでしたか?みなさんの疑問が少しでも解消されると嬉しいです。
アンケートでは『のち・一時・時々』に負けてしまった、『放射冷却』『フェーン現象』『PM2.5』についての解説はコチラをご覧ください↓
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『PM2.5』の説明はこちら
★20周年記念コンテンツももうすぐ公開です。お楽しみに!★