ことし最後の流星群「こぐま座流星群」が極大 見られたら幸運 観察のチャンスは
こぐま座流星群とは
三大流星群のひとつである「ふたご座流星群」に比べると、規模は劣りますが、こぐま座流星群の活動は年によって大きく変わり、ピーク時になっても出現しないと思いきや突如出現が活発になることがあります。かなり昔ですが、1945年や1986年には流星数が増加しており、1981年には明るい火球が多く流れていることが確認されました。また、近年では2014年や2016年、2017年と立て続けに活発な活動を観測しています。
そもそも、流星(流れ星)とは何かというと、宇宙空間にある直径1mmから数cm程度のチリの粒が、地球の大気に飛び込んで大気と激しく衝突し、大気や、高温によって気化したチリの成分が光を放つ現象です。
毎年この時期になると、地球がタットル彗星の通り道を通過します。こぐま座流星群は、その通り道に残されていたチリの粒が地球の大気に飛び込むことで起こるものです。
極大は23日(火)午前1時ごろ 観測におすすめの時間帯は?
今年の極大時刻は23日(火)午前1時ごろ。。観察の条件を左右するのは、月明りと放射点(※)の高さです。
〇月明り
20日(土)が新月で、こぐま座流星群の見ごろはその2日後の22日(月)夜遅くから23日(火)明け方となります。22日(月)は細い月である上に、月の入りは札幌で午後5時44分、東京で午後6時16分、福岡で午後7時1分と早い時間帯となります。極大時刻には月明かりはなく、条件は良いと言えそうです。
〇放射点の高さ
こぐま座流星群の放射点は北極星に近いため、流星群を一晩中見ることができます。ただ、放射点の高さがより高く、流星群が見やすくなるのは深夜0時以降です。
今年の観察は、極大時刻に月明りの影響がなく、放射点の高さは高いことから観測に良い条件が揃うと言えるでしょう。なお、流星群は、放射点のあるところだけに出現するわけではなく、夜空のどこにでも現れます。 空を広く見渡しているほうが、流星を捉えられる可能性が高くなります。木々に囲まれた山の上より、できるだけ空が大きく見渡せる開放的な場所がいいでしょう。
※放射点とは…流星の軌跡を逆向きに延長したときに通る点のこと
クリスマス直前 さまざまな星が輝く
23日(火)午前1時ごろの東京の空には…
北東の空を見ると、おおぐま座の一部となる北斗七星が見られ、そのとなりには、こぐま座流星群の放射点となる北極星が見られます。こぐま座は小さい星座ですが、北斗七星ととても良く似た形をしている星座で日本では小北斗七星とも呼ばれています。また、北北西の空には、冬の夜空を彩るぎょしゃ座のカペラも輝いています。
こぐま座にまつわる神話 切ないストーリー
森に住む妖精・カリストという美しい娘がいました。
そんなカリストに、空から見ていた大神・ゼウスが恋心を抱き、自分のものにしようとだまして近づきます。そしてカリストはゼウスの子供を身ごもり、ひとりで息子・アルカスを産みました。
すると、そのことがゼウスの妻・ヘラの耳に届いてとても怒り、カリストは呪いをかけられて熊の姿に変えられてしまいました。カリストは仕方なく息子のアルカスと別れ、森の中に身を隠しました。
息子・アルカスは、ほかの親切な人に育てられ、やがて立派な狩人に成長します。あるとき、森の中で獲物を追っていると、熊の姿となった母・カリストに出会いました。
カリストは愛しい息子を抱きしめようと駆け寄ろうとします。ところが、アルカスには、大きな熊が襲ってくるようにしか見えません。まさか熊の姿に変えられた母だとは思いもせず…アルカスは弓をつがえて熊の姿となったカリストを仕留めようと目掛けます。
それを見た大神・ゼウスが慌てて2人を天空へと舞い上げ、アルカスも熊の姿に変えて、星にしてしまいました。
こうして、息子のアルカスはこぐま座に、母のカリストはおおぐま座になったのです。
また、こぐま座もおおぐま座も熊なのに尻尾が長いのは、大神・ゼウスが天空へと舞いあげる時に慌ててしっぽをつかんで投げたせいで伸びてしまった、と言われています。
少し切ないストーリーですが、星座にまつわる神話を知ると、星空の見え方もずいぶんと奥深いものになりそうですね。
※こぐま座とおおぐま座のギリシャ神話は、詳細な部分にはさまざまな説があります。
まとめ
寒さ対策をしっかりとして、楽しんでくださいね。
