雪道の 「マンホールの穴」が怖い !? まるで落とし穴。タイヤがはまり、車が壊れる恐怖…。
2016年02月16日
道路のあちこちに穴が…。深さは20cm以上。下水道を流れる排水の熱が雪を解かす。
離れて見ればそうでもないが、実は深い“落とし穴”…。
マンホールの下には、家庭のお風呂や台所からの温かい排水が流れています。この排水が下水道の熱となり、マンホールの上に積もった雪を解かしてしまうのです。
大通りと違って生活道路は除雪車が入ることが少ないので、雪と氷が20cm以上も積もってしまいます。しかし、マンホールのフタがあるところは常に温かいので、積もった雪を解かし、氷に覆われることはありません。これにより、雪面とマンホールのフタがあるところに段差ができてしまうのです。
穴をうまく通過しないと、バンパーが壊れ、オイルパンが割れる…。
通過するスピードが少し速い場合は、運転手や同乗者がその衝撃で、一瞬、宙に浮いてしまいます。さらに、穴にはまった衝撃で、車のバンパーが壊れたり、オイルパンが割れてしまった、という話もよく耳にします。
タイヤが穴に落ちる衝撃で、人が浮かないように、そして、車が壊れないようにと、超低速でそろーりと通れば問題ないように思われます。しかし、あまりにもゆっくり進むと、穴が深い場合はタイヤがすっぽりとはまってしまい、穴から抜けられなくなってしまう、という別の恐怖もあります。
また、北国では雪解けが始まってくると、雪と氷に閉ざされた道路が一気にぬかるみだし、いたるところがザクザクのシャーベット状になります。しかも、そのシャーベットは20cm以上のけっこうな深さです。そんなときにマンホールの穴にタイヤがはまってしまうと、前にも後ろにも進めず、にっちもさっちも行かなくなってしまうこともあります。
穴にはまらないように少し速度をあげて進むと、人が浮き、車が壊れる。かといって速度を落として進んでも、タイヤがはまって動けなくなる…。毎年毎年、このマンホールの穴に北国のドライバーは悩まされています。
内ブタで断熱し、熱を道路に逃がさない。対策が進んでいる自治体も。
断熱されないと道路に丸い穴が…。
山形市の上下水道部では、平成25~27年度、市内で日当たりが悪く、道路との段差ができやすい約7000カ所のマンホールに、内ブタを設置しています。また、旭川市や札幌市でも、内ブタの設置が進められています。
生活道路は一般車両以外にも、運送用のトラックや介護の送迎バス、緊急車両も通ります。1つでも多くのマンホールに断熱の内ブタをつけて、雪道の段差を少しでもなくしてほしいと願わずにはいられません。
フタの上で猫が暖をとることも…。
猫はマンホールが好き?
路地にひそむマンホールの穴。車で通っていると、夜間や吹雪のときは、穴に気がつかないこともしばしばあります。心の準備がないままにドカッと穴に落ちたときの衝撃たるや…。北国の生活道路のマンホールすべてに、断熱作用のある内ブタがつけられる日はくるのでしょうか。本州以南はそろそろ春の気配を感じる季節になってきました。が、北国はまだまだ冬本番。雪や氷との戦いはこれからも続きます。観光で北国を訪れる方は、車に乗る場合、この“恐ろしい”マンホールの穴にぜひとも気をつけてください。