ふきの蕾“ふきのとう”が成長しても、“ふき”にならない!?
2021年03月09日

ふきのとうの旬は2~3月。地面から顔を出す姿に春の到来を感じる

定番の天ぷらは春の味
ふきのとうは、ふきのつぼみです。天然ものの旬は2~3月。日本の南側の地方では1月下旬から採れるところもあります。桜前線と同じように採れる時期がどんどん北上し、北国では雪解けのころに旬をむかえます。
選び方:あざやかな緑色で、葉が開いていないものを選ぼう

地面から顔を出して、葉がパッと四方に開いているふきのとうの姿は、まるでブーケのようにかわいらしいですが、葉が開ききっておらず、つぼみが閉じているものを選びましょう。
葉の緑色があざやかで、ツヤがあるものが新鮮です。根元が黒ずんでいたり、傷があるものは避けましょう。
保存をするときは、湿らせた新聞紙でふきのとうをくるみ、新聞紙ごとポリ袋に入れて冷蔵庫へ。1~2日は保存することができます。
ふきのとうはほろ苦い風味が特徴ですが、苦味が苦手な場合は、熱湯に塩少々を加えてさっと茹で、冷水にさらしてアクを抜きます。このように下準備をしてから天ぷらなどに利用しましょう。
ふきのとうが成長して、ふきになるわけではない

ふきのとうと、ふきは、別々に出てきます
ふきは地面の下に伸びている地下茎から生えてきますが、胞子ではなく、種子でふえる植物です。雌株と雄株があり、雌株には糸のようなめしべがあり、雄株には黄色い花粉がついています。閉じているふきのとうの中を見て、糸状のめしべがあり白っぽく見えたら雌株、黄色っぽく見えたら雄株です。雌株は受粉した後、ぐんぐん成長し、高さが50cmほどにもなります。そして、タンポポのように白い綿毛を飛ばして種を運び、ふきになることなく、枯れてしまいます。
ふきのとうは、ふきの花ですが、花と葉柄が、別々の時期に別々のところから出てくるなんて、おもしろい植物ですね。
参考
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』 高橋書店
旬の食材百科:フキノトウ
JAグループ福岡:フキのとう 雄と雌があるの?

北国のふきのとう。雪どけが待ち遠しい