月の色が変わる?皆既月食を楽しむためにはこれを見て!メカニズムと魅力を徹底解説!
皆既月食のメカニズム
特に、今回見られる「皆既月食」は、太陽の光が地球によってほぼ遮られることでできる「本影(ほんえい)」という濃い影に、月の全てが入り込む現象を指します。ちなみに、本影に月の一部が入り込む現象は「部分食」と言います。
月食は満月の時にしか起こらない?

「皆既月食」の魅力 次の月食は"2025"年!

①珍しい現象であるところ
皆既月食が珍しい現象であることは、何となく知っている方も多いかと思いますが、2010年~2030年の20年間で皆既月食が日本で見られる日は、たった15日しかないんです。今回の11月8日の皆既月食の後は、2025年の3月14日まで見ることができません。しかも天気も晴れていなければならないので、とっても貴重な機会であることが分かると思います。
②月の色が変わるところ
皆既月食で月の色が変わるって知っていましたか?実は、「赤胴色(しゃくどうしょく)」と呼ばれる赤黒い色に変化するんです。これは偶然赤くなっているわけではなく、ちゃんと科学的な理由があります。地球の周りには大気があって、太陽の光が大気の中を通過する時、波長の短い青い光はほとんど散乱されてしまうのですが、波長の長い赤い光は散乱されにくく、弱まりながらも大気を通過することができます。更に、地球の大気がレンズのような役割をして、太陽の光が屈折をします。屈折したかすかな赤い光が月を照らすので、月が赤く見えるのです。
皆既月食は珍しい現象なのに、日食やほかの天体イベントと比較して、簡単に楽しめるところも魅力です。肉眼でも見られますし、双眼鏡があれば、月面や月の色を更に詳しく観察することができますよ。今回の皆既月食は日本全国で見ることができるので、ぜひ楽しんでください!
出典:月食とは(国立天文台)
皆既月食・天王星食(2022年11月) (国立天文台)
動画解説:工藤 佳奈子