8月12日ペルセウス座流星群が極大!流れ星を見るコツは?
2020年08月11日
彗星の落とし物☆
流星群は彗星から生まれたって本当?
星座の1点から流れ星が!?(イメージです)
天体が太陽に近づくと、太陽からの強烈なエネルギーを受けて大量のガスと塵(ちり)を吹き出し、長い尻尾をもつ「彗星」となります。目に見えないくらい細かい塵もまき散らされ、軌道を一緒に回っています。太陽のまわりを何度も回るうち、軌道全体に塵が溜まって帯のように…そこに回ってきた地球が、交差する彗星の軌道を通過するそのとき、溜まっていた塵がすさまじいスピードで地球にぶつかり、そのエネルギーで大気が発光!! これが、流星群なのです。
地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっているため、事前にどの流星群がいつ出現するかがわかります。ペルセウス座流星群は、毎年8月13日くらいに極大をむかえます(今年は12日22時頃と予想)。ちょうど夏休みという人も多く、気候的にも夜間の星空観察がしやすい時期ですね。母天体は、スイフト・タットル彗星。たくさんの流れ星を地球に送り出すお母さん彗星…。宇宙って、やっぱりロマンチックだと思いませんか?
ところで、この塵の粒はみんな同じ方向からほぼ平行に、地球の大気に飛び込んできます。地上からだと、流星は空のある一点から放射状に流れて見えます…たとえば目の前に続く一直線の道が、遠くの一点から両端に広がって見えるように。一般的には、その中心(放射点)がある星座の名前をとって「〇〇座流星群」と呼ばれるそうです。ペルセウス座からたくさんの流れ星が飛び出すように見えるから「ペルセウス座流星群」というわけですね。
ペルセウスはお姫様を救ったヒーロー
メドゥーサの首持ってます☆
星座には神話に因んで付けられた名前が多くあるのですが、この星座もギリシャ神話に登場する男性・ペルセウスが由来となっています。ペルセウスの母は、ダナエ。じつは男性と接触しないよう親が幽閉していたにもかかわらず、最高神ゼウス(←好色)が黄金の雨滴に変身して隙間から侵入! 結果、ペルセウスが誕生するのです。そしてのちに、天馬に乗って現れ絶体絶命のお姫様をピンチから救うヒーローに! そのロマンスは絵画などにも多く描かれ、細かい部分には諸説ありますが、だいたいこんな内容です。
見る者すべてを石に変えてしまう「メドゥーサ」を退治することになったペルセウスは、神々から輝く刀や盾、空を飛ぶサンダルなどの装備を借り受けて出かけました。眠っているメドゥーサに忍び寄り、その首を切り落とすことに成功! このとき流れたメドゥーサの血から生まれたのがペガススといわれています。天馬に乗って首を持ち帰る途中、ペルセウスが目にしたものは…なんと、海辺の岩に鎖で繋がれた女性でした。彼女は、古代エチオピアの王女アンドロメダ。海を荒らす化けクジラを鎮めるための生贄だったのです。獰猛な牙にかかろうというまさにそのとき、ペルセウスは持っていたメドゥーサの首を目の前に突きつけます。一瞬で怪物は巨大な石塊に! その後2人は結婚し、末長く幸せに暮らしました。
秋の星空には、「剣と生首を手にした」ペルセウスと「鎖で繋がれた」アンドロメダ、そして天馬ペガスス、クジラまでいます。人生のもっともドラマチックな場面を空に貼り付けたかのように…。そばにはW形でおなじみのカシオペヤ座も。じつはこのロマンス、そもそもの発端はアンドロメダの母・カシオペヤ王妃の失言によるものでした。「海のニンフたちより、私や娘のほうがずっと美しいわね〜」などと自慢したばかりに海神ポセイドンの怒りを買い、化けクジラを放たれて津波や洪水がおこり、王女を生贄にしなければ国が崩壊しそうな事態になってしまったのです。星々の数奇な出会いに思いを馳せながら夜空を眺めるのも楽しいものですね。
いちばんの見ごろは12日深夜〜13日未明
流れ星 待つのも楽し 夏の夜♪
流れ星は放射点を中心に空全体に現れ、いつどこで流れるかわからないため、なるべく広い範囲を見渡すようにします。広場や河川敷など、視界の開けた場所が観察に適しています。その際、街明かりや月明かりが視界に入らない方向を中心に、なるべくリラックスして空を広く見渡すようにすると見やすくなるそうです。また、なかなか見られなくてもすぐあきらめないで。少なくとも15分くらいは待ってみてくださいね。体をあずけるチェアやレジャーシートに寝転ぶと、首もラクで快適です(マナーと安全面にはくれぐれもご注意を)。
流れ星を待つ時間も、いろいろな星を眺めてゆったり楽しみましょう。今夜の願いがどうか叶いますように!
<参考サイト>
国立天文台
アストロアーツ