元祖スーパーフード!? 心身を整える切り札「高麗人参」が再ブレイク
2016年10月25日
万能のパワー!「アダプトゲンハーブ」をご存知ですか?
アダプトゲンハーブの起源は、古代中国の漢方、古代インドの医学であるアーユルヴェーダ、そして北米先住民のハーブとして、数千年も前にさかのぼります。アダプトゲンハーブの定義は、①無害であること、②物理的・化学的・生物学的なさまざまなストレスに対して抵抗力を高めること、③生理機能を正常化すること。つまり、人間に害のある副作用がなく、全方位的にストレスへの防衛反応を高め、身体の機能を正常化するというスペシャルな作用をもっていることが特徴です。
ホルモンバランスや免疫システムを整てくれるアダプトゲンハーブは、男性女性ともに有用性があり、例えば高血圧の場合は血圧を下げ、低血圧の場合は血圧を上げるなど、双方向にはたらいてバランスをとる調整作用を発揮してくれます。この万能のパワーを誇るアダプトゲンハーブの王様といわれるのが「高麗人参」なのです。まずは、その「王様」といわれる所以に迫ってみましょう!
最古のスーパーフード、高麗人参の歴史
乾燥させた高麗人参の根。効きそうです
日本にはじめて伝えられたのは奈良時代で、聖武天皇への献上品だったといわれています。大航海時代に海を渡った高麗人参は、フランスの思想家ルソーやロシアの文豪ゴーリキーなど、さまざまな歴史上の人物に愛用されたとか。日本では健康マニアだった徳川家康が常用したという逸話が残っています。高麗人参は収穫するのに10年かかるといわれるほど栽培がむずかしいため、日本で収穫できるようになったのは江戸時代の徳川吉宗が将軍になった頃。なんと、日本に上陸してから1000年後のことでした。1960年代には高麗人参に含まれる有効成分「サポニン」が発見され、さらに注目が集まるようになりました。
最近では、70歳を過ぎてなお現役ロッカーとして圧倒的パフォーマンスを披露し続けるミック・ジャガーが愛用しているそうです。ちなみに、高麗人参の他にも各種ビタミン、肝油、イチョウ葉エキスを摂取し、ボディメンテナンスにはジョギングはもちろん、ヨガやピラティス、バレエレッスンまで取り入れているというミックさま。美魔女ばりのアンチエイジングメニューが、20代の頃と変わらぬボディと若々しさの秘訣のよう。ぜひとも見習いたいものですね。
現代人の悩みを力強く解消する、驚きの効果とは!?
高麗人参が入った「参鶏湯」は、韓国では産後の回復食
高麗人参の最大の特徴は、ホルモン分泌をサポートし、免疫システムを整えてくれること。ストレスで疲れをため込んで弱ったからだのベースを上げるはたらきをしてくれます。その結果、滋養強壮作用や精力増強作用につながり、メンタルヘルスの分野でも注目をあびています。ストレスによる体調不良とともに、そのメンタル面に与えるダメージがますます深刻さを増す現代において、副作用がなくからだとこころの不調を整えてくれる高麗人参は、私たちの悩みの多くを解消してくれる、まさに万能なアダプトゲンハーブなのです。
数多くある高麗人参のパワーのひとつに、血栓を溶かし血液をさらさらに保つ作用があることから、生活習慣病の予防にも威力を発揮してくれます。有効成分のサポニンがインスリンに似たはたらきをするため、糖尿病にも古くから適用されてきました。また、男女ともにホルモンの分泌を促してくれることから、特に女性においては妊活、月経不順、更年期症状の緩和など、婦人科系の悩みに幅広く作用してくれます。これからの寒い季節には、からだの機能を底上げして免疫力をアップしてくれる高麗人参は、風邪やインフルエンザの予防にも一役かってくれそうですね。
不老長寿の妙薬として古くから珍重されてきた高麗人参には、驚くほど多岐にわたって私たちのからだとこころを整えてくれるパワーが備わっています。サプリメントやお茶、薬膳酒、濃縮エキスなど、さまざまな形態で摂取することができる高麗人参。疲れがとれない時や気分が落ち込みがちな時のスペシャルなケアとして、ライフスタイルに合ったかたちで高麗人参を取り入れてみてはいかがでしょうか。
森田 敦子 『自然ぐすり 植物や食べものの手当てでからだとこころの不調をととのえる』ワニブックス 2016