9月の満月は収穫を告げる「コーンムーン」 2025年は皆既月食やブラッドムーンも
コーンムーンとは
例えば、
1月はウルフムーン(オオカミの遠吠えがよく聞こえる季節)
4月はピンクムーン(野生のフロックスの花が咲く時期)
7月はバックムーン(牝鹿の角が生え変わる時期)
12月はコールドムーン(北半球で冬の寒さが本格化する時期)
などと、月ごとに呼び名があります。
そして9月はとうもろこしの収穫期にあたることから「コーンムーン」と呼ばれました。こうした満月の名前は、天文学だけでなく、自然や文化、農業と深くかかわっており、現代の私たちに季節のリズムを感じさせてくれます。
ハーベストムーンとの違いは?
ハーベストムーンは、「秋分に最も近い満月」を指します。「秋分」は昼と夜の長さがほぼ等しくなる日で、農作物の収穫期とも重なります。このため、ハーベストムーンは農業にとって特に重要な月として、世界各地で意識されてきました。
2025年の場合、秋分は9月23日、満月は9月8日です。満月から秋分まで半月以上離れているため、9月8日の満月は「コーンムーン」になり、ハーベストムーンは翌月10月7日の満月になります。つまり、2025年は、コーンムーンとハーベストムーンが別々に現れる年になります。
ほとんどの年が9月の満月「コーンムーン」が秋分に最も近い満月で、「コーンムーン」=「ハーベストムーン」になりますが、2020年は2025年と同様に10月の満月が「ハーベストムーン」でした。次回は2028年になります。
このように、その年の秋分の日と満月の日によって、ハーベストムーンとコーンムーンが同じになる年もあれば、別々になる年もあるのです。
2025年の見どころ「3年ぶりの皆既月食」「月と金星の接近」
そしてもう一つの楽しみは、月と土星の接近です。月は、9月8日未明に皆既月食が終わり、沈んだ後、夕方に再び東の空から昇ってきます。するとすぐそばに明るい星が見えるでしょう。それが土星です。ぜひ9月8日は、未明に皆既月食を楽しんだあと、夜には土星と月の共演も楽しむと良いでしょう。
日本の月見文化とのつながり
ただ、コーンムーンも同様に、収穫を祝う意味を持つ点で共通しています。異なる文化であっても満月を季節の節目として大切にする心は同じかもしれません。今年はコーンムーンの夜に、月を見上げながらとうもろこし料理を味わえば、自然の恵みをより深く感じられる特別な時間になりそうです。塩ゆでしたとうもろこしや、バター醤油を絡めた焼きとうもろこしが定番ですが、冷製のコーンスープやたっぷりのコーンを入れたバターコーンご飯なども良さそうですね。
コーンムーンは、9月の満月を彩る美しい呼び名であり、農作物の収穫や季節の節目を示す自然のサインです。2025年はこのコーンムーンが皆既月食やブラッドムーン、土星接近といった天文イベントと重なり、特別な夜空を演出することでしょう。
今年のコーンムーンは、ぜひ空を見上げ、その物語とともに楽しんでみてくださいね。